yasumin日記~霊的成長への道~

発達障害の息子の子育て こころの成長・気づき・発見 ちょっぴりスピリチュアル

神原康弥さんと指談

最近スマホのメールで

Amazonあなたへのおすすめ〟で

神原康弥さんの本が登場した。

すでに何冊も出版しているようだ。

 

確か5年前2017年、pikarin新6年生を迎える春休み最後の日だった。

pikarinをよく知る知人から神原康弥さんを紹介され

一度会ってみたら、と言われたのだった。

神原康弥さんは2歳の時に脳症となり、

身体を自由に動かせず、言葉も出ない重度の障害を持つ。

 

そのころpikarinは学校へ行ったり休んだりを繰り返しつつ

どうにか登校できていた。

同じ支援級の年下の強烈な個性の子の言動、

その子のペースで進められるクラスの状況に苦しそうだった。

スクールカウンセラーにも相談したが、

できることに限界があるらしく

担任や校長先生に提言できないと言う。

何のためのスクールカウンセラーなのかよくわからない。

話を聞くだけなのか…。

 

子どもが学校に行ってくれると

親はその間自分の時間ができるし、

世間一般から外れていないというだけの

見せかけの安心感はある。

でもpikarinの方は学校へ行くことで

不安感、不信感だらけの毎日が繰り返されるのである。

 

そんな気持ちを常に抱えていた時だったので、

言われるまま会ってみることにした。

 

神原康弥さんは言葉を話すことはできないが

相手の気持ちを読み取って「指談」で会話する。

「指談」というのは

重度の障害を持つ方や、病気や事故により植物状態となった方の

コミュニケーションを援助する方法だ。

國學院大学の柴田保之教授が研究され始められた。

相手の方に自分の指を取ってもらう、

あるいは手を添えてもらうことで、

その身体の反応から相手の意志を読み取る方法である。

最初は〇、✕、段階を追って数字など

質問の幅を広げていきながら意思の疎通を図るというもの。

 

神原康弥さんに出会って初めて「指談」というものに触れた。

(といってもpikarinだけど)

康弥さんの場合はお母さんが康弥さんの指を握り

そのわずかな動きを感じ取って通訳する。

この支援の介添者の指導を行っている団体もあるようだ。

すんなりいくわけではない。

途中疲れて眠くなってしまったりもする。

健常者なら即答できる答えにも時間がかかる。

一つひとつの質問をイエス、ノーで進めていくわけだから。

生きるために身体を維持するだけでも

相当なエネルギーを必要とするのだろう。

 

Oリングテストやペンジュラムに共通するものがあると感じた。

リラックスした状態で筋肉の収縮などの反応を感じていくわけだから。

潜在意識下では認識できていることを

いろいろなものが邪魔をして表に表すことは困難だが

誰もが身体で感知しているのであろう。

潜在意識下の見えない領域のことだから

介添者の勝手な解釈と思われたり

怪しいという人もいる。

科学的な裏付けもない。

 

「指談」ではないが

似たような方法にタイピングを支援する方法がある。

50音やアルファベットのキーボードの指差しを手伝うやり方だ。

世界的な話題作「自閉症の僕が跳びはねる理由」の東田直樹さんは

重度の自閉症でありながら、お母さんの介添えで

心で感じていることをタイピングを通し発信し続けている。

 

私はpikarinともっと話がしたかった。

明日から新学年スタート、という時に

pikarinの心を確認したかった。

学校に行くことに困難を感じているのではないかと

うすうす感じてはいたが

はっきりした答えが欲しかった。

たぶん私の覚悟、自分を納得させるために、だと思う。

神原康弥さんに思いをわかってもらえ、

ホッとしているように見えた。

帰りpikarinに導かれるまま見知らぬ公園に寄り道し

時間を共有しながら彼の思いをかみしめた。

夕方風も冷たく早く家路に着きたかったが

必要な時間に感じた。

 

次の日の始業式は出席したが

その後は遅刻、欠席の繰り返し。

今になって学校の連絡帳を振り返ってみると

翌年の3学期始まる前までブランクだった。

 

神原康弥さんと話をした後

自分なりに葛藤して、行かないことに決めたんだろうな。