自分で110番!二回目の保護入院
pikarin16歳、二回目の保護入院のこと。
その日は朝から少し機嫌が悪く、夫と言い合いになっている様子。
最近夫の真似をすることが多く、
昼間に夫がお風呂に入ったらpikarinも続けて入浴。
イライラ時にはスッキリさせるため入浴することが多い。
自分なりの対処法をいつからか見い出している。
水をまき散らす、というのも時々やるけど。
火は水で消火するもんね。
「水に流す」というようにきっとイライラを流しているんだね。
私がお昼ご飯を作っている最中、
自分がいつも映像を見るときに座る椅子に、夫が座っていたことにイラつく。
わざと夫の膝に乗ろうとするpikarin、人との接触を嫌う夫。
P「座っていい?」
夫「やめてくれ。」(頭が痛かったらしい)
たいしたことではないのだが、脳の障害同士がぶつかると思わぬ展開に。
受け入れを拒否されたと感じたpikarinは、
お昼用に用意したお好み焼きを全部自分の部屋へ持って行ってしまった。
物を壊そうとしたりのpikarinの嫌がらせが始まる。
高次脳機能障害のある夫もイラつきが高じ、
「警察を呼べ!」が始まった。
私がそこまでしなくても…と躊躇しているうちに、
pikarinが自ら110番通報してしまった!
間もなく2人の警察官に続いてさらに2人の警察官が来訪。
pikarinは夫の部屋に立てこもり、部屋を散乱させている様子。
何とか中に入ると、今度はベッドの下に潜り込み、出てこない作戦。
警察官が話しかけ、出てくるように交渉するものの、
今度は奥の机の下でポテトチップスを食べ始め、無視状態。
(どういう神経だろうか?図太いね)
さらにカメラを取り出し動画を再生して見ているなど動じない態度。
交渉が長引くも進展がないため、
警察官がぐるぐる巻き用のシートを持ち込む。
年配の厳しそうな警察官に
「自分で出てこないとぐるぐる巻きにするよ。」とか、
「手錠をかけないとダメかな?そういうことはしたくないけどね。」と言われる。
手錠という言葉で親の方がさすがにビックリした。
ついには「お母さん、説得してくれませんか。」となった。
母「光くん、自分で警察を呼んだんだよね。」
P「だってパパが呼べってママに言うから、代わりに電話しなきゃと思って…。
パパは家の主だから偉いし、言うこと聞かなきゃって…。」
「ボクだってこんな人生歩みたくなかったんだ。なのに何で、何で…。」
びぇ~、びぇ~。(このまま30分くらい泣き続けた)
言葉通りに受け取るpikarin。
したくない、してはいけないとわかっているのに
自分ではコントロールが効かずにやってしまうpikarin
心の叫びが聞こえてくる。
でも私は今何もできない。
pikarinの肩に触れ、さすってあげることくらいしか。
抱きしめてあげることくらいしか。
このpikarinの言葉を4人の警察官はどのように受け止めただろう…。
夫はどう感じているのか…。
同じ親でも父親と母親では感じ方が違う。
pikarinがトラブルを起こした時に
親の解決方法、意見が一致しないために余計問題がこじれてしまう。
その後自分の頭を机にぶつけたり、
ベッドカバーをかぶり、窒息するようなしぐさで自傷行為が始まった。
こんな自分を否定しているのだろう。
見ていて心がつらくなる。
私ができるのは、
頭と机の間に手を挟んで、直接当たらないようにカバーするくらいだ。
そんなこんなでやっと机の下から出てきた。
警察官が来てから2時間が経っただろうか…。
今度は母子別の車で警察署へ。(パトカーではなかった)
別々の部屋で生育歴や質問など受ける。
たまたまかもしれないが、
自閉スペクトラム症などの発達障害の知識は乏しいように感じた。
先ほどの厳しい警察官の声掛けにしてもどうなのか。
発達障害関係の事件も増えていると思うのだが。
両親同意のもと保護入院を希望し、
(ここがちょっと難しい我が家の問題)
運よくかかりつけの精神科病院の緊急病棟に空きがあるとのことで、
今度は病院に向かう。
その日は休日診療のため当直医が担当。
pikarinは落ち着きをみせていたが、いろいろと質問され、
本人納得のもと、結局1か月の入院予定となった。
仕事上仕方ないが、その間警察官4人はずっと付き添い、
なんだかんだで夜の7時を過ぎてしまった。
自分が招いたとはいえ、
コミュニケーションの苦手なpikarinがずっと言葉で質問攻め。
しかも母のヘルプ無し。
よくここまで持ちこたえ、感情コントロールしたことか。
長い一日が終わった。