yasumin日記~霊的成長への道~

発達障害の息子の子育て こころの成長・気づき・発見 ちょっぴりスピリチュアル

バイオグラフィーワーク(2)8ー14歳~c初恋

男の子が苦手な私だったけれど

好きになった男の子がいた。

彼は他の女子からも人気があった。

スポーツができ、頭もよくて

いつも学級委員をしていた。

といっても小学生の時である。

私は男の子が苦手だったから

その子ともほとんど話をしたことがない。

思ったことを何でも言う世話好きの親友にくっついて

近寄るのがやっとだった。

 

中学が別々になり

もう会うこともなくなってしまう…と思った春休み、

これで終わらせたら後悔する、という心の声に従い

手紙を送った。

私は外見は大人しく、どこか弱々しく見えるが

何事に対しても思いが強く

自分の思いと現実のギャップが大きくなると、

何かを成すエネルギーが抑えきれなくなる。

何を書いたのか全く覚えていないが

その後数年手紙のやり取りが続いた。

一応一般的にはラブレターというものだろう。

周囲にからかわれたくなかったので

ハートのシールなどは貼らず、そっけないものだったと思う。

 

自分で始めておきながら

このことで苦難と戸惑いを味わうことになる。

毎日電車通学だったから

駅で投函するのはたやすいことだったが、

自宅のポストにいつ返事が届くかわからない。

父は帰宅が遅かったので目にすることはなかったが

母にはチェックされる。

父も母から何か聞いていたのだろう。

休みの日に冷やかされるようなことを言われた。

奥手と言われていた反発もあったと思う。

自分でも自分の気持ちがよくわからないまま、

よくわからない付き合いを始めてしまったから

両親に何か聞かれても説明できなかった。

f:id:hoshinopikarin:20200830154907j:plain

一度デートに誘われた。

その子は黄色いバラの花束を持って私の家に迎えに来た。

外で待ち合わせることもできたと思うが

律儀な性格が彼らしい。

13歳の少年がバラの花束なんて…。

外国映画みたい…。

母もビックリ!ドキッとした。

 

どんな服を着て行ったのか、

私のことだからさんざん考えたと思うが

これも全く覚えていない。

普段制服だったし

おまけにこの年頃のかわいい服がなかったことだけは

記憶に残っている。

母が父に話し、

何と言われて送り出されたのかよく覚えていない。

気恥ずかしさだけがあった。

 

トワイライトゾーン」という映画を観た。

用意周到な彼らしい選択だった。

隣同士で座ったと思うが

もちろん手をつないだりはしなかった。

小学校時代、「夏休みこども祭り」と題するような

アニメ映画を数回しか見たことしかなかったから、

大人と同じ映画を観るのは初めてだったし

子ども同士で映画館に入るのもドキドキした。

ホラーなわけではないので大丈夫だったが

ちょっと怖いシーンがあった。

飛行機の窓の外に悪魔の使いのような小珍獣が張り付いているのだ。

大人になって飛行機に乗った時に

夜窓から外を見る度に、ちょっとドキッと思い出す。

 

映画の後どうしたのかも覚えていない。

わりと早い時間に家まで送ってくれたと思う。

えっ、もう帰るの?…という印象だった。

長く一緒にいたからといって話がはずむわけでもなく、

気まずい時間が過ぎていくだけなのだが。

なぜかもっと一緒にいたかった。

 

彼とはじれったいほど特に進展もなく

お互いにうまく想いを伝えられない関係が続いた。

私の中では何通もの文通のやり取りと映画の記憶、

高校卒業後の内輪のミニクラス会で再会ことくらいしか

覚えていない。

想いが強かったわりには

彼に申し訳ないほど覚えていないのだ。

*******

最近になって、その彼Tさんと手紙で再会し

その後のメールのやり取りから

当時のことを知ることとなった。

彼は実に詳細克明に記憶しており

そんなこともあったのか…と驚くことばかりだった。

夕方6時11分の電車で帰り駅で待っていたこと、

電話で2回コールして一旦切ってかけ直す決め事など

電話も何度かしていたらしい。

 

私の中でも忘れ去られている〝少女の私〟の記憶が

彼の中に生き続けているって

何だかすごいことだなぁ。